(株)AWH(旧:(株)淡島ホテル、TSR企業コード:440154561、法人番号:8080101000116、沼津市内浦重寺203-9、設立1983(昭和58)年9月、資本金1000万円、代表取締役:古矢誠一郎氏)は12月20日、静岡地裁沼津支部から破産開始決定を受けた。破産管財人には近藤浩志弁護士(あさひ総合法律事務所、同市御幸町17-10、専用電話055-933-8366)が選任された。負債総額は債権者約2000名に対して400億円。
リゾート施設の「あわしまマリンパーク」を旧:東京相和銀行の系列企業が買収し、(株)淡島マリンパークの商号で設立。1991年10月、リゾートホテルを開設し、1992年1月に(株)淡島アイランドリゾート、1997年6月に(株)淡島ホテルに変更。また、2012年6月、会社分割であわしまマリンパーク事業を(株)淡島マリンパーク(TSR企業コード:440138736、法人番号:7080101000117、沼津市)に譲渡した。
運営していたホテルは、伊豆半島の西の付け根、駿河湾に浮かぶ小さな島にあり、会員制の高級リゾートホテルとして各界の著名人や政治家、外国首脳なども宿泊したこともあった。また、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の登場人物の実家のホテルとして知られている。
しかし、グループ企業が運営するホテル会員向けの社債などを弁済できず、トラブルが発生していた。2018年に入ると、所有する不動産に対して法人や個人、官公庁から多数の差押や代物弁済が実行されていた。2018年4月には(株)オーロラ(TSR企業コード:402325494、法人番号:1180001052682、名古屋市中区)の子会社となり、ホテル運営は別会社に譲渡。2019年7月に債権者から破産を申し立てられ、今回の措置となった。
(株)AIコーポレーション(旧:(株)T.F.K、TSR企業コード:296092290、法人番号:1010401064212、港区芝2-16-7、設立2004(平成16)年8月、資本金2億4250万円、江川剛社長)は12月5日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は柴原多弁護士(西村あさひ法律事務所、千代田区大手町1-1-2、電話03-6250-6200)ほか。監督委員には奥田洋一弁護士(森・濱田松本法律事務所、千代田区丸の内2-6-1、電話03-5223-7718)が選任された。負債総額は194億6300万円。
生命保険・損害保険代理店事業などを手掛け、「E保険プランニング」の名称で全国各地に支店を開設するなど積極的に展開し、企業年金や事業年金、退職金対策コンサルティング業も手掛けていた。売上高は2009年5月期の4億5021万円から、2018年5月期は66億1763万円に急伸していた。しかし、事業拡大に伴い資金需要は旺盛で資金繰りを銀行借入に依存していたほか、不適切なキャッシュアウトなどもあり過大な借入金が重荷になっていた。こうしたなか、2018年末頃に国税庁から多額の追徴課税を受け、資金繰りが急速に悪化。取引銀行に元本の返済猶予を要請していた。
2019年12月1日、会社分割方式で(株)E保険プランニング(TSR企業コード:131986554、法人番号:8010401147646、同所)に旧:T.F.Kが保険代理店事業で有していた借入金、リース債務、その他の金融債務を除く権利義務を承継し同月2日、現商号に変更していた。
トヨタハウス工業(株)(TSR企業コード:310154863、法人番号:1030001055279、川越市砂915-7、設立1975(昭和50)年8月、資本金1000万円、駒井和美社長)は12月16日、さいたま地裁川越支部より破産開始決定を受けた。破産管財人には新井賢治弁護士(新井賢治法律事務所、同市菅原町3-6、電話049-227-7650)が選任された。負債総額は30億円。
不動産業と建設業を手掛けていたが、1980年代から地元周辺にパチンコ店の出店を重ね、主業を同事業にシフト。1994年7月期には売上高約138億円をあげていたが、その後は景気低迷により業績が下降線をたどったうえ、取引金融機関の小川信用金庫の破たんに伴い2001年1月、同金庫からの借入金が整理回収機構(当時)に譲渡され、以降は事業を縮小していた。
過去の赤字決算から債務超過が続き、厳しい資金繰りを強いられていたなか、2017年7月期の売上高は約10億円にまで落ち込んだ。規制強化に伴う遊技機入替のための設備資金が捻出できず、2018年7月までにパチンコ店の経営から撤退。先行きのめどが立たたず、今回の措置となった。
(株)J-needz(TSR企業コード:662303121、法人番号:3140001047148、大阪市西区京町堀1-3-3、設立2011(平成23)年9月、資本金300万円、代表者:大福地元仁氏)は11月7日、大阪地裁に破産を申請し11月26日、破産開始決定を受けた。破産管財人には福田あやこ弁護士(福田法律事務所、同市北区東天満1-11-15、電話06-6282-7853)が選任された。負債総額は債権者約170名に対し26億6800万円。
おもにファッションホテルの運営および委託運営業務を展開。姫路市で「ホテル英国館」を皮切りに運営受託業務およびコンサルティング業務を進め、2016年4月には豊岡市で自社物件を購入し、独自のホテル運営に乗り出していた。
その後は自社購入物件を増加させ、約1億円だった年間売上高は2016年8月期には約5億5500万円にまで拡大。2017年7月には宿泊施設運営業者より会社分割を受けるなどしてさらに業容を拡大し、2017年8月期の売上高は約16億2900万円に伸長していた。
一方、物件購入等に伴って増加する資金需要に対しては銀行借入を中心としていたため、財務面の強化は進まずにいた。こうしたなか、2018年8月期には約3億3200万円の大幅赤字を計上し、債務超過に転落。債務返済の見通しが立たないことから、今回の措置となった。
(株)アヴェル(TSR企業コード:912066229、法人番号:8330001007152、熊本市北区植木町一木154-1、設立2006(平成18)年9月、資本金1000万円、和田宏孝社長)は12月19日、熊本地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には江越和信弁護士(三浦・江越法律事務所、熊本市中央区草葉町4-20、電話096-324-1070)が選任された。負債総額は24億9700万円。
2004年4月に創業したペット用品と日用品のインターネット通販業者。独自の販売ノウハウを構築するほか、高級ペットフードなど品揃えにも強みがあり、東京・大阪など大都市圏の顧客を中心に取引を拡大し、2015年8月期には売上高20億円を突破した。
しかし、売上拡大に伴う売掛金や在庫負担の増加で借入金が膨らむなか、2016年8月期は熊本地震による在庫廃棄損計上で収益性が悪化。2017年8月期以降も九州北部豪雨の影響や物流コストの上昇などで薄利が続き、次第に資金繰りが逼迫していた。
取引行にリスケを要請し、2018年10月には現代表に社長を交代するなどして経営の立て直しを図っていたが、2019年8月期の売上高は同業者競合や仕入難の影響で約15億500万円まで減少。さらに、過去の不良資産処理なども進めた結果、赤字が膨らみ多額の債務超過に陥ったことから経営再建を断念し、12月18日に事業を停止、今回の措置となった。
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