(株)エフ・アール・イー(渋谷区代々木2−8−3、登記上:杉並区荻窪5−27−8、設立昭和34年2月、資本金20億円、佐藤行雄社長、従業員1名)は平成18年12月18日、債権者より東京地裁に破産手続開始を申し立てられ1月11日開始決定を受けた。破産管財人は小林克典弁護士(千代田区麹町4−2−1、電話03−3234−2941)。負債は約2285億円。
同社は昭和23年2月現代表の佐藤氏が個人創業、34年2月第一不動産(株)として法人化された不動産業者。バブル絶頂期には国内子会社9社、海外現地法人4社を有する「第一不動産グループ」を形成。折からのバブル景気に乗り不動産関連事業を積極的に行い事業を拡大するほか、株式投資も積極的に行ない、ピーク時の平成3年には年商938億円をあげていた。また、佐藤社長はニューヨーク・ティファニービルを買収(平成11年11月売却)したことでも有名となっていたうえ、グループ会社のノンバンク、(株)第一コーポレーションは昭和63年に店頭市場に株式公開していた。
しかし、バブル崩壊により経営環境は一転、グループでの約1兆2千億円にのぼる有利子負債が経営を圧迫。以降は金融機関の管理下で所有不動産の売却、事業規模縮小を進め、借入金の圧縮など経営立て直しを図っていたが、赤字経営が続き債務超過に陥っていた。
さらに、平成10年6月(株)第一コーポレーションが負債4573億円を抱えて東京地裁に特別清算手続開始を申し立てたことから、グループの信用性も一挙に低下し自主再建は困難な状況に追い込まれていた。ここにきて借入債務の返済も滞り新たな資金調達も困難となったことから、一部債権者より破産手続開始を申し立てられていた。
(株)アイ・エックス・アイ(大阪市淀川区西中島6−1−1、設立平成1年7月、資本金42億6053万4000円、嶋田博一社長、従業員102名)は1月21日、大阪地裁へ民事再生手続開始を申し立て、29日開始決定を受けた。
申立代理人は大川治弁護士(大阪市中央区北浜2−3−9、電話06−6201−4456)。保全管理人には小松陽一郎弁護士(大阪市北区中之島2−2−2、電話06−6221−3355)が選任されている。負債は約222億円。
同社は平成1年7月に設立された東証2部上場のソフトウェア開発、コンサルティング情報サービス業者。平成14年3月ナスダックジャパン市場(現:ヘラクレス市場)に上場、16年3月東証2部に指定替えした。位置情報・時間情報などを組み合わせたサービス「Spaceframe」、位置情報取得・緊急情報連絡網サービス「eSMS」、受発注サイト構築ツール、バリアフリー支援システムなどを主要サービスとし、大手システム業者などを対象に年々業績を伸長させ、平成18年3月期には年商401億1800万円をあげていた。
しかし、18年9月期中間期決算の作成途上で、取締役ら幹部数名が関与する社内ルールを逸脱した取引が発覚し、会社決済を受けない発注処理が判明分以外に100億円以上あることが分かった。このような事態から半期報告書の提出が法定期限までに提出できず、1月5日監理ポストに割り当てられていた。
この間、社内・社外調査を実施して当該関係者の処分などを発表してきたが、簿外債務の金額が多額にのぼり株式の上場維持は困難な状態から自力再建を断念、民事再生法による再建を図ることとなった。
(株)松栄興業(日進市岩崎台1−2207、設立昭和53年6月、資本金3000万円、松居敬二社長、従業員1名)は平成18年6月27日、ゴルフ場会員3名から名古屋地裁に破産手続開始を申し立てられ1月15日開始決定を受けた。破産管財人は木村静之弁護士(名古屋市中区丸の内1−10−23、電話052−201−5002)。負債は約210億円(うち預託金約155億円)。
同社は昭和53年6月に設立されたゴルフ会員権管理、保険代理業者。当初は高級衣料品店及び飲食店の経営を主体にしていたが、平成1年10月に総額約150億円を投じてゴルフ場「ベルグラビアカントリークラブ」(岐阜県恵那市串原)をオープン、ピーク時の平成4年2月期には年商約27億円をあげていた。
だが、多額の償却負担から債務超過に陥っていたうえ、その後はゴルフブームの衰退や近隣ゴルフ場との競合から業績が低迷。対応策として、11年10月ゴルフ場用地を親会社の(株)松安産業(愛知県日進市)に売却、同社はゴルフ場の運営に特化するとともに、資産売却や関連会社への貸付金などの不良債権を処理。そのため、12年2月期は年商9億6900万円に落ち込み11億6300万円の赤字、翌13年2月期も年商6億6900万円に減少、3億600万円の欠損となり、この結果、資産合計183億円に対し負債合計は218億円(うち預かり保証金約161億円、長期借入金約54億円)と財務内容の悪化に拍車が掛かっていた。
こうした中、高級衣料品店部門を別法人の(株)巴里ブティックに移したほか、14年10月にはゴルフ場の運営も別法人の(株)ベルビアカントリー倶楽部(現:(株)BK)に移し、同社は関連会社向けの保険代理業に転換した。しかし、同社の動産、不動産などに差押や競売などが登記され経営が困難となり16年2月からは実質休業状態に陥っていた。
同社は今回の事態について「会員約900名に会員権分割や預託金返還請求延長を話し合い90%近くの賛同を得、残り10%の会員との話し合いを進めていた最中のこと」と話している。
なお、(株)ベルビアカントリー倶楽部は平成16年9月系列企業の串原開発(株)にゴルフ場運営業務を移管し、平成18年6月BK(株)に商号変更し、同年11月に資金破綻した。また、その後の平成17年12月に串原開発(株)はゴルフ場運営から撤退して18年6月にKKT(株)に商号変更し、同年11月資金破綻している。さらに、平成18年に入り第三者の(株)アメリカンネットサービス(名古屋市中区)がゴルフ場の所有・営業権を譲り受け、新たに「メダリオン・ベルグラビアカントリー倶楽部」として営業を継続している。
青垣観光(株)(御所市朝町1075、設立昭和63年4月、資本金1億3500万円、大浦啓次社長、従業員10名)は、1月31日付けで服部弘志弁護士(シティ法律事務所、東京都港区虎ノ門1−13−3虎ノ門東洋共同ビル6F、電話03−3580−0123)を代理人として、奈良地裁葛城支部へ民事再生手続開始を申し立て、同日保全命令を受けた。
同社は昭和63年4月に法人設立、平成7年9月に秋津原G・C(18ホール、パー72、7016ヤード)をグランドオープンし、開場当初から「土日はメンバー同伴でないと受け付けない」「割引券は発行しない」「50組以上は受け付けない」など、高級ゴルフ場(新設コースはセントアンドリュースG・Cと日本で初めて姉妹提携を結ぶ)のイメージを打ち出した展開を行い、他ゴルフ場との差別化を図ってきた。平成9年3月期にはピークとなる年間入場者数40800名、売上9億3000万円を計上した。
しかし、市況低迷の波により次第に売上は減少し、平成18年3月期は5億6085万円にまで低下。その間、人員整理など積極的なコストダウンに努めてきたが、ゴルフ場の開発費負担などから慢性的な赤字体質に陥り、経営は悪化していた。何とか金融機関などからの支援を以って当面を凌いできたが、中長期的な視野で経営再建は難しいものと判断し、今回の措置を選択した。
新日企業綜合開発(株)(中央区銀座1−21−9、登記上:長野県伊那市高遠町藤沢7051−11、設立昭和34年9月、資本金8000万円、二十軒伸夫社長、従業員10名)は1月12日、東京地裁に民事再生手続開始を申し立て同日保全命令を受けた。申立代理人は矢島匡弁護士(中央区八重洲1−6−17、電話03−3272−4066)ほか1名。監督委員には山下英樹弁護士(港区虎ノ門1−22−16、電話03−3580−6681)が選任されている。負債は約180億円。
同社は昭和34年9月に設立されたゴルフ場の経営会社。昭和62年にオープンしたゴルフ場「中央道晴ヶ峰カントリー倶楽部」(伊那市、18ホール)を経営、ピーク時の平成2年3月期には年商約20億円をあげていた。
しかし、毎年12月初めから3月下旬までの冬期間はコースのクローズを余儀なくされるうえ、最近は他コースとの競合やゴルフ人口の減少などから利用者が減少、18年3月期には年商3億6000万円に落ち込んでいた。そのため、会員の預託金返還も困難となり自主再建を断念、民事再生法による再建を図ることになった。
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