こうして倒産した

2024年(令和6年)8月度こうして倒産した・・・
(株)クレサービス(旧:(株)神田造船所) 
  • 広島
  • 船舶製造、修繕業
負債総額
109億6182万円
 

 (株)クレサービス(TSR企業コード:740021893、法人番号:9240001025633、呉市川尻町東2-14-21、登記上:東京都千代田区丸の内1-9-2、設立1948(昭和23)年10月、資本金6500万円)は8月5日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。
 負債総額は109億6182万円。
 1937年2月、旧海軍の指定工場として創業。戦後は外航および内航のバルカー船やLPG船、客船を主体としたシリーズ船を多く建造するほか、船舶の修繕も手掛け、2011年3月期には売上高約361億円を計上していた。しかし、新造船の受注減および船価安等から減収傾向での推移を余儀なくされたうえ、鋼材価格の高騰等によるコストアップや工事損失引当金の影響により連続赤字を計上し、2015年3月期には債務超過に転落した。
 以降も世界的な景気減速を背景にバルカー船の船価が低迷するなか、中国や韓国勢との受注競争が激化。資材価格の高騰も続き受注環境がさらに悪化したことで、2022年2月には新造船事業から撤退し、船舶修繕事業を新設した神田ドック(株)(TSR企業コード:694990078、法人番号:3240001059538、呉市)に移管。同年4月、当社は(株)神田造船所から現商号に変更した。その後は残務整理を進め、めどが立ったことから2024年4月30日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。

みやび建設(株)
  • 滋賀
  • 建築工事
負債総額
54億3530万円
 

 みやび建設(株)(TSR企業コード:650067010、法人番号:4160001011010、近江八幡市鷹飼町北4-1-16、設立1996(平成8)年9月、資本金8000万円)は8月9日、千葉地裁松戸支部より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には内田徳子弁護士(柏綜合法律事務所、千葉県柏市中央町6-19)が選任された。
 負債総額は54億3530万円。
 1976年1月に塗装店として創業し、その後、宅建業許可および建築業許可を取得。2000年にはクレバリーホームのFCに加盟して滋賀県内でモデルハウスを兼ねた店舗を5店舗展開し、2016年8月期にはピークとなる売上高46億3989万円を計上した。さらに、2019年6月には新事業としてボートレースチケットショップ安芸高田場外販売所をオープンし、子会社による運営を行っていたほか、損害保険代理店業や太陽光発電事業なども展開し、経営の多角化を進めていた。
 こうしたなか、事業承継の準備に入ったものの、新社長は一部事業の売却など縮小路線を進めたことから、創業者との間で軋轢を生むこととなった。この過程で当社は現社長の駒秀樹氏と接点を持つようになり、数回にわたる交渉の末に2019年9月、同氏が当社株式を取得し、経営者が交代。
 以後、順次不動産事業の店舗閉鎖を行い、2020年1月を以てクレバリーホームのFCを脱退し、公共施設やビル、一般個人向け住宅などの建築工事にシフトした。高品質・短納期・ハイスピードをうたった施工方法を採用し、法人や個人を対象に受注基盤を築き、2020年8月期は売上高40億5149万円を計上した。
 しかし、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響もあり、得意先の投資意欲が減退し、営業活動が停滞。コロナ関連融資を活用して凌いでいたが、2021年8月期は売上高が37億6151万円に減少したうえ、複数の不動産を売却したことで2億7717万円の赤字となった。
 この頃から取引先との間で請負代金を巡ったトラブルが生じ、複数社より提訴されていたほか、本社不動産には取引先や自治体から仮差押登記が設定されるなど、資金繰りの悪化が露呈。2022年8月期は案件獲得に一層苦戦し、売上高が5億3122万円に急減したうえ、資産売却により19億4528万円の赤字を計上し、大幅な債務超過に転落。その後も業況は改善せず、資金繰りも限界に達したため、今回の措置となった。

(有)森山水産
  • 鹿児島
  • ブリ・ハマチ養殖加工
負債総額
39億4000万円
 

 (有)森山水産(TSR企業コード:940176513、法人番号:2340002026635、垂水市牛根麓9-4、登記上:同市牛根麓1306、設立1994(平成6)年1月、資本金500万円)は8月28日、鹿児島地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。
 申請代理人は西川精一弁護士(弁護士法人神戸綜合法律事務所、兵庫県神戸市中央区江戸町96)ほか2名。
 監督委員には西達也弁護士(南日本総合法律事務所、鹿児島市金生町1-1)が選任された。
 負債総額は39億4000万円。
 100基以上の養殖用いけすを有し、ブリやハマチの養殖を手掛けていた。2014年には加工センターを新築し、HACCP認証を取得。フィレやロインなどに加工して販売し、2014年12月期には売上高約14億7000万円を計上した。しかし、養殖魚の病害や寄生虫発生による被害などの影響で、2015年12 月期から3期連続で赤字を計上し、2019年12月期時点で債務超過額は約13億円まで拡大していた。
 コロナ禍以降は需要の低迷により、業績がさらに悪化。2024年4月期(決算期変更)は売上高約11億3900万円を確保したが、飼料価格の高騰や加工コストの増大により、採算面で苦戦していた。
 過去の設備投資に加え、在庫手当や赤字補填を含めた運転資金に要した借入負担が重く、資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。

(株)グローバルステージ
  • 東京
  • ビルメンテナンスほか
負債総額
29億円
 

 (株)グローバルステージ(TSR企業コード:131500848、法人番号:8010701025114、港区芝1-14-4、設立2009(平成21)年1月、資本金1000万円)は8月28日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には板橋喜彦弁護士(新都総合法律事務所、千代田区四番町6-11)が選任された。
 負債総額は29億円。
 ビルメンテナンスを主業に、ミネラルウォーターなどの食品卸や飲食店向けコンサルティングを手掛けていた。他社からビルメンテナンス事業を継承して事業を急拡大し、全国に支店を開設し、官公庁案件も獲得していた。
 しかし、「新型コロナウイルス」感染拡大以降は飲食店向けコンサルティング事業の受注が落ち込んだ。また、ビルメンテナンスの入札案件の一部で赤字受注を余儀なくされたほか、採用難のために賃金を上昇させたことで、コストが増大。事業拡大に資金繰りが追いつかず、2024年7月30日までに事業を停止していた。

極洋フィードワンマリン(株)
  • 愛媛
  • 水産物養殖業
負債総額
24億6500万円
 

 極洋フィードワンマリン(株)(TSR企業コード:822108178、法人番号:8500001017233、南宇和郡愛南町久良392-2、登記上:横浜市神奈川区鶴屋町2-23-2、設立2012(平成24)年11月、資本金9000万円)は8月8日、横浜地裁より特別清算開始決定を受けた。
 負債総額は24億6500万円。
 日本配合飼料(株)(現:フィード・ワン(株)、TSR企業コード:352908041、法人番号:7020001107810、横浜市西区)および(株)極洋(TSR企業コード:290038499、法人番号:1010401033225、東京都港区)ら5社の共同出資により、水産物の種苗生産や養殖、販売などを目的に、極洋日配マリン(株)の商号で設立。日本配合飼料のグループ再編により2015年10月1日、現商号に変更した。
 国内外におけるクロマグロの天然資源保護に向けた規制が強化されるなか、持続的な水産資源の活用や安定供給を目指してクロマグロの完全養殖に取り組み、2016年には出荷を開始した。その後は年々出荷量も増加し、近年は約5億円の年間売上高を計上していた。しかし、支出を吸収できるだけの売上には至らず赤字計上が続き、2023年3月期時点で債務超過額は約18億9800万円にまで膨らんでいた。
 こうしたなか、世界的な漁獲規制などにより天然資源の回復が見られるなど事業環境が大きく変化したことで、一定の役割を終えたとの判断から、2024年4月17日には登記上本社を横浜市に移転し同年4月30日、株主総会の決議により解散していた。

(有)グランブルー
  • 大阪
  • 輸入ブランド雑貨販売ほか
負債総額
24億2000万円
 

 (有)グランブルー(TSR企業コード:571613306、法人番号:6120002043541、大阪市中央区久太郎町1-4-8、設立2000(平成12)年3月、資本金4500万円)は8月7日、大阪地裁に破産を申請し8月28日、破産開始決定を受けた。
 破産管財人には北嶋紀子弁護士(フェニックス法律事務所、同市中央区北浜4-7-28)が選任された。
 負債総額は債権者95名に対して24億2000万円。
 エルメスやルイ・ヴィトン、シャネルなどの海外有名ブランドの衣料品、皮革製品、装身具、貴金属、宝石などの輸入販売を手掛けていた。専門スタッフが現地で商品を確認し、流通後の自社商品もシリアルナンバーで管理するなど商品の真贋に関しては徹底した取り組みを行い、インバウンド需要も背景に、2019年9月期は売上高約21億6300万円をあげていた。
 しかし、「新型コロナウイルス」感染拡大以降は仕入活動に支障をきたしたほか、インバウンド需要も消失。ゼロゼロ融資を活用するなどして凌いでいたが、2022年からは大幅な円安により、収益面にマイナスの影響を受けていた。
 こうしたなか、2023年9月期の売上高は約26億2800万円をあげたが、不適切な会計処理を行い、実質的な売上高は半分以下にとどまり、赤字となっていた。新規事業であるコスメ事業の拡大を図るなどして経営改善を目指していたが、2024年2月以降、資金繰りが急激に悪化。3月末の決済のめどが立たず、3月21日までに事業を停止していた。

戦後歴代の大型倒産

日本の戦後歴代の大型倒産を
負債額順にまとめた記事はこちら

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