パナソニックプラズマディスプレイ(株)(TSR企業コード:571644155、法人番号:1120901002503、茨木市松下町1-1、設立平成12年7月、資本金1000万円、渡辺利幸社長、以下PPD )は11月1日、大阪地裁へ特別清算を申請した。申請代理人は柴野高之弁護士(堂島法律事務所、大阪市中央区北浜2-3-9、電話06-6201-4458)ほか1名。負債総額は親会社1社に対して約5000億円(平成28年10月31日現在)。
親会社パナソニック(株)(TSR企業コード:570191092)の出資により、地上波デジタル放送の高精細な映像を再現するプラズマディスプレイ事業を手掛ける目的で設立された。プラズマテレビ、業務用プラズマディスプレイ、プラズマディスプレイモジュールなどを製造し、茨木第一・第二工場のほか、尼崎工場で生産体制を構築。ピーク時の平成21年3月期の売上高は約3137億1400万円を計上していた。
しかし、その後は、液晶との競争激化や市場価格の大幅下落などの影響を受け、26年3月期の売上高は約201億6700万円まで落ち込んでいた。このためプラズマディスプレイパネル事業の継続は困難と判断し、26年3月末に事業活動を停止。以降は、所有する工場建物や生産設備などの資産の処分を進め、処分が完了したことから解散し、特別清算開始の申請を行うこととなった。
製造業としては、24年2月会社更生法の適用を申請したDRAM製品開発・製造を手掛けていたエルピーダメモリ(株)(現:マイクロンメモリジャパン(株)、TSR企業コード:294417524、東京都中央区)を上回り、戦後最大の負債額となった。
なお、パナソニックは個別決算において、平成28年3月期末現在、PPDの株式に対する関係会社株式評価損残高525億円を計上。PPDに対する将来の損失見積額についても、関係会社事業損失引当金4943億円を計上済み。PPDの特別清算申請に伴い、取立不能となることが見込まれる追加の損失57億円については、29年3月期で計上する予定。
アイエス(株)(TSR企業コード:740150707、法人番号:8240001000091、広島市南区東雲本町2-21-17、設立昭和50年8月、資本金2億円、長原正明社長)は12月7日、広島地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には今田健太郎弁護士(弁護士法人あすか、同市中区上八丁堀4-1、電話082-227-7145)が選任された。負債総額は約465億9200万円。
不動産デベロッパーで、大型の宅地開発やマンション分譲を手掛け、物件販売がまとまった際には年間売上高が100億円を突破することもあった。平成8年より広島市北西部の「西風新都」の一部「善當寺工業地区」(ヒューマンライフパーク)の開発に着手、開発規模127ヘクタールの超大型物件で、用地購入に200億円、造成工事に300億円を要する大型計画だった。
8年11月に開発許可を得て、11年度の完成予定となっていた。開発はゼネコン4社によるJVが行っていたが、思惑通りに事業は進まず計画自体が頓挫、多額の借入金を抱えたままの状態が続いていた。加えてJVの組織企業が相次いで破綻してJVは事実上解体、開発再開のめどが立たない状態が続き、金融機関からの借入金は債権回収会社へ債権譲渡されていた。最近は実質的に営業を行っておらず、28年6月に債権者から破産を申し立てられていた。
公益財団法人山梨県林業公社(TSR企業コード:340246626、法人番号:7090005000105、甲府市武田1-2-5、設立昭和40年9月、代表理事:荒井洋幸氏、従業員8名)は7月15日、甲府地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は野間自子弁護士ほか2名(三宅坂総合法律事務所、東京都千代田区内幸町2-1-4、電話番号03-3500-2912)。負債総額は債権者15名に対して約261億2000万円。
個人では森林整備が困難な土地所有者に代わり、人工林の造成や整備を行うほか、山村地域における就労の場も提供してきた。設立当初は国産木材価格が上昇傾向にあったため、採算も十分に確保でき、伐採が始まれば木材の販売収益により借入金の返済は可能とみられていた。
しかし、昭和55年以降は国産木材価格が低下する一方、労働単価の上昇等により経費が増大し、販売収益では借入金を返済する見通しが立たなくなっていた。
また、分収林(森林所有者、費用負担者などが収益を分け合う森林)の資産価格が帳簿価格を大幅に下回る見通しとなっていた。
このため、出資者の山梨県は森林整備の方向性と分収割合を見直し、平成29年3月をめどとした「財団法人山梨県林業公社改革プラン」を23年12月に策定した。これに伴い公社は「財団法人山梨県林業公社改革推進計画」を策定し、24年度から山梨県と連携して、地権者に対して変更契約の締結などの交渉を進めていた。
28年3月期には経常収益5億4594万円を計上したが、同年6月に「損失補償債務等に係る一般会計等負担見込額の算定に関する基準」(総務省)に基づく手法により評価し直したところ、大幅な債務超過にあることが判明した。
改革プランに基づき公社の廃止、債務処理についての透明性や公平性の確保、県民負担の軽減、分収林事業の確実な県への継承などを図るために、第三セクター等改革推進債を活用した民事再生手続による再生を選択した。
(株)アルフレックス(TSR企業コード:641364458、法人番号:2130001005867、京都市中京区柳馬場通御池下ル柳八幡町65、設立平成12年3月、資本金40億8000万円、近藤憲和社長、従業員150名)は10月18日、整理回収機構から京都地裁に破産を申し立てられていたが、12月5日に破産開始決定を受けた。破産管財人には木村圭二郎弁護士(共栄法律事務所、大阪市中央区北浜3-7-12、電話06-6222-5755)が選任された。負債総額は163億4100万円。
「ベストプライス」の店舗名で全国にガソリンスタンドを経営し、高い価格競争力を背景に店舗数を拡大していた。しかし、社有不動産に対し平成26年2月、整理回収機構より仮差押の登記が表面化した。その後、整理回収機構から債権回収を免れるため、会社資金を海外の口座に不正に隠したとして、強制執行妨害の容疑で社長など複数の役員が27年10月に逮捕された。また、27年11月には整理回収機構から当社社長らに損害賠償を求め訴訟を起こされた裁判で敗訴となった。28年9月2日、社有不動産に設定されていた根抵当権(極度額8億円、債務者は当社、債権者はカナダのレインボウ・ワン・インベストメント・リミテッド)は詐害行為取消しを原因に抹消(代位者は整理回収機構)され、その後の動向が注目されていた。
(株)エンタープライズ自由ケ丘(TSR企業コード:890223823、法人番号:1320001000635、大分市京が丘南1-824-14、設立平成4年3月、資本金3000万円、工藤英俊社長)は1月15日、大分地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員には渡辺耕太弁護士(弁護士法人渡辺法律事務所、同市中島西3-2-26、電話097-538-2126)が選任された。負債総額は約152億円。
平成4年創業の宅地造成・販売会社。大分市松岡地区で大型団地「京が丘」1602区画の開発に着手し16年8月、販売を開始した。しかし、至近には他社が先行して販売開始した大型団地「パークプレイス大分」があり地域として供給過多だったほか、立地面での不利な条件もあって販売は進まなかった。26年8月期は売上高約3億8000万円に対して約1億6000万円の赤字を計上し、多額の債務超過に陥っていた。
販売開始から10年を経た現在でも、販売実績は約500区画にとどまっていたほか、地価下落のなか原価割れでの販売を強いられ、抜本的な打開策が見出せないまま厳しい運営が続いていたことから、今回の措置となった。
関急不動産(株)(TSR企業コード:570083907、法人番号:4120001027308、大阪市大正区三軒家東5-6-7、設立昭和45年2月、資本金2400万円、代表清算人:澤井重竜氏)は3月1日、大阪地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には谷村佳郎弁護士(誠心法律事務所、同市北区西天満2-6-8、電話06-6130-8257)が選任された。負債総額は約150億円。
不動産売買を手掛け、バブル期の好景気を受けて平成4年3月期には売上高約15億円を計上していた。しかし、バブル崩壊により不動産価格が暴落。金融機関からの多額の借入金負担は重く、厳しい経営環境が続いていた。不動産賃貸・管理業へと事業を縮小すると同時に、不動産の売却を随時進めてきたが、18年頃には事業を停止。多額の金融債務を残した状態で、20年12月9日には株主総会の決議により解散していた。
芝管財(株)(TSR企業コード:292260695、法人番号:1010401011230、旧商号:サミオ食品(株)、港区南青山3-18-14、設立昭和58年2月、資本金9600万円、代表清算人:南勲氏)は4月27日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は約140億円。
ブラジル、タイ、中国などからブロイラーや食肉加工品の輸入を手掛け、国内食品商社や外食企業、ハム・ソーセージメーカーなどに取引基盤を有していた。食肉専門商社としては国内でも有数の取扱高を誇り、ピーク時の平成20年9月期には売上高368億7500万円を計上した。だが、以前から採算性は低く、最近は資金需要の拡大から借入金が増加傾向になっていた。さらに同時期に急速に進行した円安により仕入れコストが上昇し、経営不振に陥った。
このため27年9月、業務用食品卸等の(株)西原商会(TSR企業コード:940070090、法人番号:3340001003270、鹿児島市)および同社が100%出資する子会社の(株)サミオ食品(TSR企業コード:015393429、法人番号:3010401119377、東京都港区)との間で事業譲渡契約を締結し、旧:サミオ食品の全事業を新:サミオ食品に移管した。
当社は4月1日、存続期間の満了により解散し4月18日、社名を現商号に変更、今回の措置となった。
日本ロジテック(協)(TSR企業コード:298943107、法人番号:6010005012356、中央区佃1-11-8、設立平成19年11月、払込済出資総額9990万円、代表理事:軍司昭一郎氏)は3月11日、事後を水野晃弁護士(みなつき法律事務所、千代田区四番町7-16、電話03-5214-3585)、島本泰宣弁護士(東京双葉法律事務所、千代田区平河町2-10-6、電話03-3263-8055)ほか3名に一任していたが、再度の資金ショートを起こし3月22日、行き詰まりを表面化した。負債総額は120億円。
平成19年11月に12社の組合員により発足した事業協同組合。設立当初は共同流通センターの運営などを目的としていたが、経済産業省より特定規模電気事業者(新電力、PPS)の認可を受けて22年4月より電力小売事業に参入した。
東日本大震災以降、相次ぐ原発稼働停止を受けて国内の電力市場が急変。再生可能エネルギー特別措置法(平成24年7月施行)に基づく再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の開始を追い風に、電力小売事業の需要が大幅に増加。24年3月期は売上高4億2600万円にすぎなかったが、契約数の増加から27年3月期は売上高約555億7700万円と驚異的な伸びをみせ、電力小売事業が売上高の99%となり電気供給量(小売)は新電力の中で5番目のシェアを占めていた。
しかし、業容拡大の一方、自前の発電所を持たず電力会社や企業、自治体の余剰電力を購入し安価に再販売するビジネスモデルのため、利幅は薄かった。また、関係会社を通じて建設を予定していた発電施設への資金負担などが重荷となり、資金繰りが悪化。27年5月には経済産業省より当組合が4月30日期限の納付金(電気使用者から支払われた賦課金)を納付しなかったとして、再生可能エネルギー特別措置法に基づく公表措置を受けるなど信用不安が広がった。その後も資金繰りが改善することなく、電力の仕入先への未払いがたびたび発生。こうしたなか、28年2月25日に当社が新電力の登録申請を取り下げ、電力小売事業からの撤退を表明していた。
リペアハウス(株)(TSR企業コード:932101720、法人番号:4300001008735、台東区浅草橋1-10-7、設立平成24年5月、資本金300万円、岩瀬裕一社長)は10月19日、東京地裁に破産を申請した。破産管財人は川瀬庸爾弁護士。問合先として破産管財人コールセンター(電話03-6821-3073、土日祝日を除く10時~13時、14時~17時)を設置している。負債総額は一般投資家約1万700名に対して約114億4600万円。
平成26年10月頃から一般投資家に対して「WINOFEX REPAIR LIMITED」という名称の香港法人に口座を開設させ、外国為替証拠金取引などでの運用を勧誘していた。また、一般投資家からの出資金を原資として、「フィリピンロトくじ」の購入や販売事業者への投資を行っていた。既に商品の申込をした投資家が他の一般投資家を当社に紹介することで、「紹介ボーナス」等と称して金銭が支払われる仕組みで資金を集めた。しかし、27年5月頃には集めた資金を「紹介ボーナス」や会社経費等の支払に流用しなければ、業務遂行が困難になっていた。こうしたなか、28年1月29日に福岡財務支局から「無登録で金融商品取引業を行う者に対する警告書を発出」として当社が公表され、5月20日には証券取引等監視委員会から東京地裁に当社と代表者に対して金融商品取引法違反行為の禁止および停止を命じる申し立てが行われ、7月4日に裁判所から業務の禁止および停止を命じられ、以降は事業継続が困難になっていた。
(株)サンク(TSR企業コード:675207053、法人番号:2120001143973、大阪市西区西本町1-10-10、設立平成3年2月、資本金9900万円、鳴瀧順史社長、従業員45名)は1月14日、大阪地裁へ破産を申請した。破産管財人には塩路広海弁護士(塩路法律事務所、同市中央区難波3-7-12、電話06-6634-6020)が選任された。負債総額は債権者4016名に対して111億3800万円。
ビルメンテナンス業務をはじめ、監視カメラなどのセキュリティ、アパレル、流通、クレジットカード決済・電子マネー決済が可能な複合決済端末の店舗設置を手掛けるRFIDなどの5部門で事業を展開。
最近はRFID事業に注力し、決済端末の設置推進のため、複数の法人に対して4台セットで100万円の価格で販売する形で出資を募って業容を拡大。25年8月期の売上高は17億9874万円を計上した。しかし26年8月期は、RFID事業が頭打ちとなり13億313万円にまで低下していた。このため、最近ではRFID事業から撤退し、セキュリティ機器の販売などに特化していた。撤退を決めたRFID事業で新型決済端末機「CT1」に対して多額の投資を行い、(1)26年8月期末時点で複数の法人から資金を募り41億円もの前受金を計上していたものの、同端末が完成しなかったこと、(2)国税局の立ち入り・査察により事業継続上に必要な書類、資料の大半が押収されたこと、(3)25年9月25日に、“マルチ商法で100億円を集金か”という新聞報道によって信用不安が発生したこと、などで資金調達が困難になった。
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