東証1部上場の航空会社スカイマーク(株)(TSR企業コード:293216444、大田区羽田空港3-5-7、設立平成8年11月、資本金141億8673万3000円、有森正和社長、従業員2209名)は1月28日、民事再生法の適用を申請した。監督委員には多比羅誠弁護士(ひいらぎ総合法律事務所、中央区銀座8-9-11、電話03-3573-1578)が選任された。負債総額は約710億8800万円(キャンセル違約金を除く)。
上場企業の倒産は平成25年9月以来17カ月ぶり。大手航空会社の倒産は、22年1月19日に会社更生法の適用を申請した(株)日本航空(TSR企業コード:295556064、品川区)傘下の(株)日本航空インターナショナル(現:日本航空(株)、TSR企業コード:291141005、同所)に続き2社目。
東証1部上場の旅行業者の(株)エイチ・アイ・エス(TSR企業コード:292203993、新宿区)からの出資を主体として設立。平成12年5月マザーズ、25年11月東証1部に上場した国内第3位の新興航空会社。この間、16年1月、他業界から経営に参画した西久保愼一氏が筆頭株主となって社長に就任した。
12年2月に航空運送事業の許可を取得し、羽田空港を基幹として福岡、神戸、新千歳、那覇などの国内の運航路線を構築している。航空機の多くはリースで調達し、主力機材のボーイング737は31機、またエアバスA330は2機を保有(26年3月期末時点)し、運航乗務員や機体整備は外部へ委託するなど、固定費を抑える体制を取り独立系の航空会社として実績を重ねてきた。
他の国内航空会社より比較的廉価な運賃を設定して一定の需要を獲得し、25年3月期には売上高859億4300万円をあげ、最終利益は37億7800万円にまで伸ばしていた。
しかし、競合他社との競争激化や大型航空機A330-300型機の導入コスト、想定を超える円安の進行、さらに燃料費の高止まりなどが重なり、26年3月期には売上高859億7500万円に対し、8億4500万円の最終赤字に転落した。
この間、27年3月期中に国際線への参入を目指し、22年にエアバス社に大型航空機A380を計6機発注していたが、資金を確保できずキャンセルしたことで同社から最大7億ドルの違約金を請求された。
それまでの設備投資から資金繰りにも影響が出て、26年9月中間期の決算に継続企業の前提に関する疑義(ゴーイング・コンサーン)が注記される事態となっていた。
26年12月、日本航空とANAホールディングス(株)(TSR企業コード:290096677、東京都港区)傘下の全日本空輸(株)(TSR企業コード:294603565、同所)に対し国内線の共同運航による支援を要請。さらに27年1月以降、第三者割当増資で投資ファンドからの資金調達も計画するなど、再建を模索していた。
なお、今後は支援を表明しているインテグラル(株)(TSR企業コード:296599891、千代田区、投資運用業)から、東京裁判所の所定の手続きを経たうえで、資金支援、収支改善支援および運営支援などを受ける。
(株)レイネツ(TSR企業コード:400056780、常滑市小林町1-30、設立昭和28年12月、資本金4800万円、代表清算人:加々美博久弁護士)は12月25日、名古屋地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約44億400万円。
丸茂工業(株)として設立し、鍛造業を手掛け、大手自動車メーカーに受注基盤を築いていた。高い技術力が評価され、各メーカーの基幹部品を取り扱っていたが、高い技術力を維持するための設備投資や海外子会社への支援などがかさみ、資金流出は増大していた。
ピークとなる平成18年8月期には売上高約95億8700万円を計上したが、以降は受注が減少。さらに、リーマン・ショックや東日本大震災に伴う外的要因から23年8月期の売上高は約60億4700万円に落ち込み、業況は急速に悪化していた。
24年8月期には売上高が約75億7700万円に回復したものの、約37億8200万円の赤字を計上したことで経営状態は一層厳しさを増した。
このため、25年5月に丸茂工業(株)(TSR企業コード:403227780、同所)を設立し26年6月、事業を譲渡するとともに、当社は現商号に変更。11月30日、株主総会の決議により解散し今回の措置となった。
(株)REAL LIFE JAPAN(TSR企業コード:142122874、仙台市宮城野区扇町1-7-45、設立平成16年3月、資本金2000万円、遠藤剛史社長、従業員21名)は1月30日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には市川直介弁護士(森・濱田松本法律事務所、千代田区丸の内2-6-1、電話03-6212-8390)が選任された。負債総額は約30億8200万円。
平成15年9月、東南アジア地区からの家電製品(デジタルプレーヤー、デジカメ、液晶TVなど)および家具・寝装具類の輸入卸売を目的として創業。家電量販店などをエンドユーザーとして販売基盤を築いてきた。
22年9月には中国に現地法人で工場を新設したほか、日本国内で展示会やイベントを開催し販路を拡大、24年2月期は売上高65億1094万円を計上。その後も物流センターの開設や営業エリア拡大などから売上を伸ばし、26年2月期にはピークとなる売上高97億5914万円を計上した。しかし、同業者との価格競争で2100万円の黒字にとどまった。27年2月期に入り不良品が発生し、大量の返品により業績は大きく後退した。こうしたなか、急激な円安の影響で想定外の為替差損を強いられ資金繰りが急速に悪化した。
(株)美濃屋吉兵衛商店(TSR企業コード:360029221、小田原市成田944-6、登記上:同市栄町1-2-11、設立昭和23年1月、資本金3550万円、鈴木吉兵衛社長、従業員30名)は1月28日、横浜地裁小田原支部に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は米山安則弁護士(関内駅前法律事務所、横浜市中区尾上町2-27、電話045-640-0675)。負債総額は約30億円(平成26年3月期決算時点)。
天正年間(1550年頃)に創業、業歴450年以上を数える老舗企業。代表者は代々鈴木吉兵衛を襲名し、現代表は22代目になる。
水産練製品や蒲鉾、わさび漬、塩辛、干物など、各種ギフト用加工食品 を製造販売し、皇室献上賜品(塩辛、蒲鉾、梅干し)も取り扱っていた。百貨店や高級料亭、レストランなどに販売するほか、地元を中心に高い知名度を得て一般個人を対象に小売も行い、ピーク時の平成4年3月期には売上高約22億3400万円をあげていた。
しかし、企業の経費削減に伴うギフト需要の減少や消費者嗜好の変化などで、以降の売上高は伸び悩み、26年3月期の売上高は約11億1400万円まで落ち込み、約2億7300万円の赤字となった。その後も資金状況は改善せず、資金繰りが逼迫し今回の措置となった。
北静木材(株)(TSR企業コード:430015615、静岡市清水区長崎新田478-4、設立昭和22年11月、資本金2000万円、櫛田眞司社長、従業員15名)は1月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は南栄一弁護士ほか2名(南法律事務所、千代田区平河町2-4-13、電話03-3263-1511)。負債総額は21億600万円。
昭和21年1月創業、住宅および家具向け等の木材関連商品を主体に販売し、ピークとなる平成8年10月期の売上高は100億5468万円を計上した。しかし、その後は建築市況の冷え込み、家具業界の低迷等に加え、海外製品との競合激化もあり受注は落ち込み、17年10月期以降は売上低下に歯止めが掛からなくなっていた。この間、関連会社の吸収合併やリストラ等による経営改善を試みたが奏功せず、さらに幹部社員の退職等で売上の減少が加速。また、不良債権の発生も重なって資金繰りが逼迫し、25年10月には銀行に対し借入金の返済条件を変更した。
以降も、有価証券や不動産の売却、さらなるリストラ等による体制の縮小均衡および不動産賃貸事業の強化を図ったが、26年10月期の売上高は17億3125万円まで低下し、8401万円の赤字となった。本業である木材関連事業の継続は困難となり、今後は不動産賃貸業に特化し再生を図るため、今回の措置となった。
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