(株)釧路振興公社(釧路市浦見6-3-8、昭和35年7月、資本金1250万円、笠井真一代表清算人)は、7月1日釧路地裁に特別清算を申請した。申請代理人は笠井真一弁護士(笠井・伊藤法律事務所、釧路市宮本1-3-11、電話0154-41-5734)。負債総額は109億1800万円。
同社は、釧路市が株式の56.4%を出資する第三セクター。釧路市が先行取得した土地の売買や賃貸のほか、指定管理者として「六園荘」や一時は「山花リフレ」などの運営も行っていた。
しかし、火力発電所建設を見込んで、昭和54年から同59年まで取得した西港臨海土地Ⅰ・23万8397平方メートルが計画の頓挫により売れ残り、バブル経済崩壊後の景気低迷で塩漬け状態となっていた。釧路市および金融機関からの借入金が膨らみ、支払利息負担も大きく改善の目処が立たず、釧路市は三セク債を活用して解散する方針を決定し6月27日の株主総会で解散を決議していた。
(株)アイ・ピー・ジー・アイ(渋谷区渋谷1-3-9、設立平成12年3月、資本金1億2210万円、栗原博幸社長、従業員50名)は、7月4日東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は豊島真弁護士(小島国際法律事務所、千代田区五番町2-7、電話03-3222-1401)。負債総額は75億9700万円。
同社は、アパレル各種ブランドの管理を行い、特にアメリカのジーンズブランド「Blue Cult」の独占輸入販売権、ライセンス輸入製造販売権を有していた。最近はイタリア服飾ブランド「REPLAY」、「Just Cavalli」、「galliano」などの独占販売輸入権を獲得した。
直営店の運営(約20店舗)も積極的に展開して、平成22年12月期には年商約60億円を計上していた。しかし、売上は順調に伸びていたものの、直営店の出店費用が嵩み余裕のない資金繰りとなっていたうえ、デリバティブ損失も膨らみ新たな資金調達が困難になった。
(株)横谷温泉旅館(茅野市北山5513、設立昭和51年6月、資本金4800万円、篠原元文社長、従業員30名)は、7月11日長野地裁諏訪支部に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は村松謙一弁護士他5名(光麗法律事務所、東京都中央区京橋3-9-8白伝ビル6F、電話03-5159-5055)。負債総額は66億2000万円(保証債務を含む)。
同社は、大正12年創業の老舗旅館。横谷温泉峡ではトップクラスの事業規模を誇っており、老舗温泉旅館として知名度が高かった。平成4年に本館を整備したのに続き同9年には本館の建て替えを行うなど、積極的な設備投資を行い業容を拡大、同9年9月期は約13億円の売上を計上していた。
しかし、その後は景気低迷とレジャーの多様化等から集客は落ち込み、売上は平成22年12月期(同19年期から決算期変更)に約9億6000万円にまで落ち込んでいた。この間、多額に亘る投資負担から収益も低調に推移し資金繰りは逼迫の度合いを高めていった。こうしたなか、東日本大震災が発生、団体客を中心に予約キャンセルが相次いだ事等によって資金繰りの目処が立たない状態に陥った。
(株)ラハイナコーポレーション(名古屋市東区東桜1-3-7、設立平成2年6月、資本金2億1287万5000円、中西芳比朗社長、従業員7名)は、7月27日名古屋地裁から破産手続開始決定を受けた。破産管財人は山田尚武弁護士(しょうぶ法律事務所、名古屋市中区錦2-2-2、電話052-223-5555)。負債総額は65億1400万円。
同社は、携帯電話販売事業を軸にソフトウェア開発などを当初は行っていたが、平成20年3月期からは併営していた不動産事業で、名古屋、大阪でのマンション、商業ビル分譲販売が業績を牽引して、携帯電話販売事業から撤退したものの売上が80億1543万円にのぼった。
しかし、当時から多角経営に伴う経費負担や過大な借入負担等が重荷だったことに加えて、リーマン・ショック後の市況低迷から平成21年3月期の売上高が25億8772万円まで落ち込み、直近の同23年3月期では、不動産事業の商品評価損等も嵩んで債務超過に陥っていた。
(株)アサヒグラフィックス(名古屋市守山区大字下志段味字池田810、設立平成1年10月、資本金1億2700万円、鈴木正博社長、従業員79名)は、7月27日名古屋地裁に民事再生法の適用を申請した。監督委員は渥美裕資弁護士(愛知さくら法律事務所、名古屋市中区丸の内3-19-1、電話052-961-8670)。負債総額は48億3700万円。
同社は、オフセット印刷業者。地元では業界中堅としてカタログ、チラシ、パッケージ、販促物などあらゆる印刷製品を手がけていた。本社地と岐阜県瑞浪市内に3カ所の工場を有し、逐次業容を拡大したが、元々下請受注の多い業態のため利幅が圧迫されがちで、慢性的な借入過多の状況にあった。平成19年3月期には関連会社を吸収合併したこともあり、売上高は約45億円に達したが、その後は不採算部門の廃止などから減収推移を辿り、同22年3月期には赤字に転落した。人員整理や受注調整などの実施は対外信用の低下を招き、同22年半ばから取引先が債権保全を図るなど厳しい経営環境にあり、不良債権が頻発したことで支え切れなくなった。
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