(株)ギャラクシーエクスプレス(江東区豊洲3-1-1、設立平成13年3月、資本金4億7270万円、近田哲夫代表清算人)は、6月18日東京地裁から特別清算手続開始決定を受けた。負債総額は229億円。
同社は、官民共同プロジェクトとして中小型ロケットの開発を目的に設立され、日本初の中小型衛星打上げビジネスへの参入をめざしていた。(株)IHI(江東区、東証1部)及びグループ企業が42%を占める大株主となり、その他大手商社など7社の共同出資を得ていた。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の先端技術実証ロケットをベースに米国、ロシアのロケット技術を導入して国産の中小ロケット「GX」を開発・製造。低コストでのロケット打上げ、商業衛星打上げサービスなどの事業化を視野に入れ、当初は平成18年の初号機打上げを目標に10年間で33~40機の需要を見込んでいた。
しかし、LNG(液化天然ガス)燃料エンジンの開発が大幅に遅れるなどしたため、初号機の打上げは平成23年目標となり計画が大幅に延期。また、当初官民合わせて450億円を見込んでいた開発費が平成20年までに既に約700億円にまで達していたうえ、同20年5月には開発費がさらに1000億円程度必要との試算を発表。さらにエンジン開発が同25年にまで再度延期する見込みであることが明らかとなっていた。
こうした中、平成21年11月に行われた政府の行政刷新会議の事業仕分け作業においてGXロケット開発計画の廃止が求められ、政府はGXロケット開発プロジェクトの中止を決定。これを受け、同22年1月には親会社のIHIが民間のみでのプロジェクト遂行は困難と判断し解散することを発表していた。
(株)オー・エム・シー(中央区新川1-29-13、設立平成18年10月、資本金9000万円、山脇一晃社長)は、5月21日債権者から東京地裁に破産を申し立てられ、6月10日破産手続開始決定を受けた。破産管財人は伊藤尚弁護士。負債総額は197億9300万円。債権者は藤森法律事務所を事務局として被害者弁護団を結成している。
同社は、ホテルの会員権販売および会員制リゾートクラブ「岡本倶楽部」の運営会社。(株)岡本ホテルシステムズ(静岡県熱海市)が経営する「岡本ホテル」が静岡県熱海市や新潟県妙高市、山梨県身延町、神奈川県箱根町、三重県志摩市、兵庫県赤穂市など11カ所にあり、オー・エム・シーは同ホテルの会員権を元本保証、高利回りなどの条件で販売、会員は現金を預託する形となっていた。
しかし、被害者弁護団によると「損害賠償請求や債権回収の依頼が12名からあったものの、入手したオー・エム・シーの貸借対照表(平成21年9月30日時点)では、「負債の部」「預かり金会員」科目で191億8340万円に対し、「資産の部」「有形固定資産」は80億8909万円のため、資産を全部処分しても預託金債務を支払うことはできないと判断。今回の措置をとった」としている。こうしたなか、平成22年5月26日警視庁や静岡県警が出資法違反容疑で強制捜査を行っていた。
(株)ジャックアカウンティング(千代田区九段南4-2-11、設立平成12年2月、資本金1000万円、工藤仁代表清算人)は、6月17日東京地裁から特別清算手続開始決定を受けた。負債総額は170億2000万円。
同社は、(株)カーチスホールディングス(東京都墨田区、冨田圭潤社長、東証2部)の100%子会社で、グループの給与計算業務代行などを行っていた。当初は(株)ジャック(東京都新宿区)の子会社として営業していたが、平成13年6月に親会社の会長が業務上横領容疑で逮捕されるなど不祥事が発生、同14年9月にカーコンビに倶楽部(株)が筆頭株主になるなど再編が続いた。同16年には休眠会社となり、21年9月30日株主総会の決議により解散していた。
小倉貿易(株)(中央区日本橋室町3-4-4、設立大正6年12月、資本金2億4000万円、田邉順三社長、従業員67名)は、6月15日東京地裁から破産手続開始決定を受けた。破産管財人は岡正晶弁護士。負債総額は100億700万円。
同社は、寛政年間(1790年)創業、大正6年12月に法人化した老舗の産業資材・繊維製品を扱う貿易商社。創業当初からマニラ麻原料及び漁網船具を幅広く輸入。最近では産業資材他、繊維製品、合成繊維、合成樹脂などを扱っていた。東南アジアや中国にもネットワークを築き、ピーク時の平成7年3月期には年商254億5200万円を計上していた。
しかし、需要減少に伴う在庫調整、個人消費低迷により平成21年3月期の年商は190億700万円に減少した。最近も売上が伸び悩み、加えてキャンピングカー部門の不振と在庫負担が資金繰りを圧迫、限界に達し今回の措置となった。
(株)オリゾンティ(大阪市西区新町1-13-3四ツ橋SIビル11F、設立平成3年2月、資本金4500万円、小林匠社長、従業員220名)及び持株会社である(株)TRIPホールディングス(東京都港区南青山2-22-19三和青山ビル6F、設立平成18年10月、資本金2億4937万円、同代表、従業員3名)は、6月4日東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は内海雄介弁護士ほか。負債総額はオリゾンティが84億6600万円、TRIPホールディングスは32億円。
(株)オリゾンティは、神戸市にて(株)ワールドの一部門が分離独立し設立された会社で、その後平成19年3月(株)TRIPホールディングス傘下となり同社の100%子会社となった。海外インポートブランド「ヴィヴィアンウエストウッド」の店舗名で事業を展開、紳士・婦人服を企画・販売し、欧州を中心としたインポート品60%、自社ブランド品40%の構成比率で展開していた。20歳代を中心顧客とし、近時では自社ブランドである「インタープラネット」を積極的に展開。直営店以外にも商業施設に出店し、デザイナーを取締役に迎え入れるなどして新ブランドを立ち上げていたほか、百貨店以外で新業態のセレクトショップ「アクチェル」の発展に力を入れていた。設立以来おおむね順調に業容を拡大し、同11年3月期に年商100億円を突破し、年商は同14年3月期以降100億円台で推移していた。
しかし、もともと収益面は低調に推移していた上、海外から安価なブランドが大量に流入して競合が激化、リーマンショック以降は厳しい展開を強いられていた。この間、取引金融機関と返済に関して交渉を進めていたが、自力再建は困難と判断した。
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