G&C債権回収法律事務所
国際ロマンス詐欺にかかる弁護士法違反で代表が逮捕
G&C債権回収法律事務所(大阪市北区)は10月2日、大阪地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には塩路広海弁護士(塩路法律事務所、大阪市中央区難波3-7-12)が選任された。
負債総額は約9億6000万円(2023年11月末時点)。
弁護士事務所として法律相談などを受けていた。しかし、当事務所の代表であった川口正輝氏が、いわゆる国際ロマンス詐欺または国際投資詐欺の多数の被害者から被害回収に関する事件を受任するにあたり、広告業者の事務員などに自己の弁護士名義を利用させ、法律事務を取り扱わせるなど弁護士法に違反する行為を行っていたことが発覚。また、当事務所による広告表示は、一般に国際ロマンス詐欺などの事件の被害回復が現実には難しいにもかかわらず、高額の回収が実現できる可能性が高いかのように誤信させる表示であった。
大阪弁護士会の調査によれば2023年11月末の時点で、当事務所が受任した国際ロマンス詐欺などの事件について、依頼者数は約1800名、受領した着手金総額は約9億6000万円にのぼっていたとされる。これを受け、大阪弁護士会はこれ以上の被害の拡大を防ぐべく、同年12月に川口氏に懲戒申立を行ったと公表していた。
しかし、川口氏が受領した着手金の大半は既に広告業者らに流出しており、すべての被害者に対する着手金全額の返還は到底困難と考えられるところ、一部の債権者だけに返還を行うことで大多数の被害者が全く被害弁償を受けられない事態に至ることは望ましくないことから8月26日、大阪弁護士会より大阪地裁に破産を申し立てられ、8月27日付で財産に関する保全命令(弁済禁止命令)が発令されていた。
なお、2024年5月29日には大阪地検特捜部に川口氏ら計5名が弁護士法違反の容疑で逮捕されている。また、本件に対し破産管財人室としてホームページ(https://www.gclo-kanzai.com/)が開設されている。
※G&C債権回収法律事務所(TSR企業コード:692645586、大阪市北区天神橋1-19-8、代表:川口正輝氏)